「森村泰昌」芸術研究所

午前からウォーホル美術館にてスタッフへの作品解説。そのあとさまざま打ち合わせ。夜は担当キュレーターのニックとビールで乾杯。夕食は大舘さんとタイ料理レストラン。パイナップルの入った焼き飯とワンタンスープ。レストランで声をかけられサインを求められる。ウォーターフォールでも記念撮影を求められた。ピッツバーグじぁちょっとした有名人である。今日も野球場のあたりは人でいっぱい。ピッツバーグパイレーツはどうなったんだろう。テレビをかけたら上原が出て来て、ホームランを打たれ逆転負していた。上原ってどこの球団だったっけ。

ウォーホル美術館にて

ウォーホル美術館外観

快晴。本日は仕事オフ。ピッツバーグ郊外のウォーターフォールに行く。ウォーターフォールとは、フランク・ロイド・ライトの有名な建築。日本語に訳すなら、さしずめ滝の館、あるいは水流邸か。ピッツバーグから車で約一時間半。秋の紅葉がはじまった山並みが美しい。まずケンタッキー・ノブというライトの建物の外観だけを見て、ウォーターフォールに行く。完全予約制で３時の部で見学。素晴らしい。ライトが日本建築に影響を受けて作った建築は、次に日本のモダン建築に影響を与える。この文化の往来をリアルに感じる。内部の見学のあと、外観見学。家主は滝の見える場所に家を建てたいと依頼。しかしライトは滝のあるところに家を建てた。この反転の発想こそ、表現の行き詰まりを打開する最高の方法である。 夜はピッツバーグを来訪したヨコトリ事務局長の帆足さん、大舘さんと私の三人でタイ料理店で夕食。そのあと長時間にわたり三人でヨコトリについて語り合う。

朝から久しぶりに散歩。朝日の美しいピッツバーグの風景（写真１）。

お昼はルーリング主宰のランチをマットレスファクトリーのレストランで。マットレスファクトリーはパフォーマンス主体の表現のためのスペースで歴史は古い。昼食後、ジェニーアントニーの展示とパフォーマンスを見る。そのあとはカーネギー美術館のバウリーナの人形劇パフォーマンスを見たあと、モリムラ作品を所蔵しているコレクターの邸宅を訪ねる。私と一色さん、大舘さん、ウォーホル美術館のニック、ルーリングオーガスティンのカタリーナとジェノバが同行。ゴヤの大作がいきなり展示してあり、ほかにも女優シリーズ２点を所蔵（写真２）。

夕方、大雨の中、ウォーホル美術館のオープニングへ。大勢の人が見にきてくれる。盛況で館長のエリックも美術館ボードメンバーも上機嫌。まずは安堵。１０時前、美術館を出ると雨はすっかり止んでいた（写真３）。

ウォーホル美術館でのプレスを中心とした内覧会。夜はカーネギー美術館で４年に一度開催のカーネギーインターナショナル、オープニングパーティーへ。展示のほうは、驚くべきものはなかった。パーティーは深夜に有名ドラッグクイーンが登場するなど、さらに盛り上がるとのことだったが、１０時半には会場を後にする。

ウォーホル美術館個展会場

２０１３年１０月５日　（インタビュー）

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いま見直される日本写真の生っぽさ　森村泰昌

エリックと２日の夜に食事したあと、仮眠して深夜に起きて３日のレクチャーの準備をする。連続で二本あるので、かなりきつい。準備は夜から始まり、朝食昼食抜きでギリギリまでやる。ふらふら状態でカーネギーメロン大学へ。２時からジェームズの教室でひとつめのレクチャー。横浜トリエンナーレについて話す。前半は英語で。後半はチャールズの通訳で。そして５時からは立派なホールで一般公開のレクチャー。パワポ、スライドショー、ビデオなどさまざま見せるので操作をお願いした大舘さんがたいへん。モリムラ作品１３０点のスライドショーにはX JAPANの曲を流す。音響のよいホールでかなり感動的。すべて順調に終了し夜はルーリングオーガスティン主宰のディナー。久しぶりの食事。満腹。ホテルに戻り、本日ピッツバーグ入りの一色さん、大舘さんらとロビーで簡単な打ち合わせ。部屋に戻り入浴後就寝。最後のほうはあまり記憶にない。

カーネギーメロン大学のレクチャーホール

朝からアンディウォーホル美術館に行く。展示は順調に進んでいた。ビデオ作品上映の不備が事前に情報として入っていたので、トラブル覚悟で来たが、なんとか解決しそうで安堵する。担当のニコラス、あすのレクチャーを助けてくれるカーネギー大学のチャールズらと打ち合わせ。夜はウォーホル美術館の館長のエリック&大館さんと夕食。
昨夜はパイレーツ優勝騒ぎで騒然としていた街も今夜は閑散としている