月別アーカイブ: 2011年11月

2011/11/22

クロワッサン・プレミアム

  2012年 1月号       (執筆・連載)

 美術の見方、美術の話
『トゥールーズ=ロートレック展』
 「描きこまない」ことによってもたらされた、ロートレックののびやかな魅力。 p162-163


2011/11/20

11月14〜16日

紫綬褒章の伝達式と皇居での拝謁のため東京に向かう。
15日11時、如水会館にて伝達式。控えの間で、大竹しのぶさんや種田陽平さん御夫妻とあいさつ。大竹さんとは、1999年、蜷川幸雄演出の芝居「パンドラの鐘」で一緒だった。種田さんは、辻仁成監督の映画「フィラメント」の美術監督だった。私はともに「俳優」として出演したのだが、下手でも無謀でもそういうことをしていたおかげで、異分野の人達との交流が生まれた。当時は、「あまり手広くいろいろやるな。美術に専念しろ」あるいは、「もうモリムラは美術の人じゃない」などと言われたりもしたが、今にして思えば、決して悪い事ではなかったと感じる。
細胞生物学の岸本健雄教授夫妻や、情報科学の西尾章治郎教授夫妻とも談笑する。
午後に皇居に行く。天皇陛下は体調がすぐれず、秋篠宮殿下が代行。長い一日が終わる。
帰りに文科省の若い人から、全員に、天皇陛下からの賜物が配られる。四角い箱で、ずっしりと重い。文鎮か何かと思いつつ、ホテルに戻って開けてみると、「菊焼残月」という、大きな三笠饅頭がみっつ入っていた。菊の御紋章の焼き印のある菓子であった。
P1070200
*写真は、ホテルからの朝の景色


2011/11/13

朝日新聞

2011年11月13日

読書 (書評)
■対談集 なにものかへのレクイエム―二〇世紀を思考する
森村泰昌<著>


2011/11/10

読売新聞・夕刊

   2011年11月10日

 近況 : 森村泰昌さん 紫綬褒章に「突き詰めたい」 4面


日本経済新聞

2011年11月10日    (執筆・連載)

 クロスボーダー REVIEW
   美術家・森村泰昌が見た映画 「家族の庭」


10月21日〜11月8日

風をひいたり、出かけたり、訪問者があったりと、ばたばた過ごす10月後半から11月。

10月21日、東京に行く。11時に東京駅着。11時半から、ホテルシャングリラのイタリアレストランで軽いランチをとりながら、シュウゴアーツの佐谷周吾さんと、いくつかの用件で打ち合わせ。
午後1時半すぎ、銀座のBLDギャラリーに行く。長澤章生さんと、作品集「肖像 経済」の最終的な打ち合わせをする。
午後3時、アンディウォーホルミュージアムのエリック・シャイナーと一色事務所の大舘さんが来る。BLDの事務所を借りて、近い将来に予定されているアンディウォーホルミュージアムでの個展の打ち合わせを行う。
このあと、資生堂ギャラリーのダヤニータ・シン展のオープニングに行く予定だったが、母親の状態がかんばしくないので、ここまでにして東京駅に直行。帰りぎわ小雨が降る。暑いような暑くないような、じめじめした空気。なんだか頭痛がする。

10月22日。朝起きると喉がちょっと痛い。風邪をひいたようだ。

10月23日。完全に鼻声になる。午前11時に、大阪市役所に行く。前に出版された「大阪観考」という本をテーマにした座談会に参加。本の制作にタッチした、ヤノベケンジ、束芋、伊藤存、松井智恵、そしてこの本の企画者である木ノ下智恵子さんらと壇上で約2時間しゃべる。終了後、かなり状態が悪くなり、帰って寝込む。

10月24日。朝から近くの内科医院に行く。ずっと寝込む。夜かなり苦しかった。この週に計画していた様々な仕事をすべてキャンセルする。

10月26日。紫綬褒章受章の記者会見を行う。これは中止に出来ず敢行。毎日、読売、産経、共同通信、時事通信の各社記者がそれぞれのカメラマンと同行で来訪。かなりの人数になる。
記者会見
*写真 取材を受けるモリムラ

10月28日。読売新聞者の木村未来記者と、正倉院展の取材で奈良に行く。じつはこれがはじめての正倉院展である。まだオープン前なので、じっくり拝見。行くと、やっぱり面白い。私は伎楽面について語ることに。

岩波書店より、「対談集 なにものかへのレクイエム〜20世紀を思考する」が発売。

10月29日。母の体調が思わしくないので、内科医院に連れて行く。精神的な原因が大きいという判断。ほんとうだろうか。

10月30日〜31日にかけて、マドリッドで12月に開催する個展とあわせて計画されている、映像上映会+レクシャーの原稿を練る。雑事が多く、なかなか落ち着いて原稿が出来ないが、早朝や夜に時間をすこしずつ作る。

11月2日。紫綬褒章発表の報道がなされる。電報、花などが押し寄せる。

11月3日。スロベニアから帰国中の小池健輔さん来訪。

11月4日。東京に行く。マドリッド出展作品のプリント仕上がりのチェックのため、写真弘社に行く。その後、銀座の資生堂ギャラリー近辺で3つほど、打ち合わせなどをする。

イラストレーター杉本裕子さんの訃報がはいる。杉本さんは、京都芸術短期大学で私が非常勤講師をしていた頃の教え子である。女優シリーズのメイク担当でもあった。その後、イラストレーターとして独立。学生時代から絵のうまい人だった。自分の好きなものが明確だった。その「自分の好きなもの」が社会にどう受け入れられるかと悩み、学生時代はずいぶん相談を受けたものだった。しかし、プロのイラストレーターになってからは、その「自分の好きなもの」をうまくコントロールして、すばらしい絵を描く人に成長した。最近は会う機会が少なかったので、訃報に愕然とした。言葉が出て来ない。

11月5日〜7日。鹿児島に行く。南日本美術展の審査員。今年で私は五年目になる。昨年までご一緒していた草薙奈津子氏にかわり、今年から絹谷幸二氏が参加。昨年同様、建畠アキラ氏と文田哲雄氏は参加。鹿児島は26 度まで気温があがり、まるで初夏のよう。

11月8日。シュウゴアーツの佐谷周吾氏、来訪。来年のシュウゴアーツでの個展、シンガポール展などについて打ち合わせ。東京国立近代美術館の保坂健二朗氏来訪。来年のモスクワでの企画展についての打ち合わせを行う。


2011/11/06

朝日新聞

2011年 11月6日    (執筆・連載)

書評 : [視線] 高松次郎 言葉ともの 日本の現代美術1961-72 (光田由里著、水声社)