展覧会中止のお知らせ
お知らせ
10月8日より岩手県立美術館で開催予定にしていた、森村泰昌による
「非常時の芸術」について考える新作展が中止されることになりました。
以下、美術館からの公式な「お知らせ」全文を記します。
またこの中止について、森村がこのHPの日記のページに8月8日〜
17日付けで、一文を寄せていますので、そちらも御覧ください。
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「森村泰昌「人間風景」-萬鐵五郎、松本竣介、舟越保武とともに-」展
の中止について
今秋、岩手県立美術館で開催する予定でおりました標記展覧会を中止
することとなりました。大変に残念なことですが、ご報告を申し上げます。
この展覧会で、森村氏は、岩手ゆかりの3人の美術家、萬鐵五郎、
松本竣介、舟越保武の代表作からテーマを得て、それぞれの時代と
社会に向きあいつつ、3人ともに悩み苦しんで深い美術表現を獲得し
たことを森村氏自身の表現を通じて再現しなおし、美術は時代とどう
つながっているかということを、この岩手の現状の中において熟考して
みようと試みていました。森村氏の意図と情熱は、そのまま岩手県立
美術館の災害復興意識と合致し、また、美術館連絡協議会をはじめ
とする多くの関係の方々の共感も呼び、総意でもって展覧会準備を
進める力になっておりました。
作品準備の努力は続けられ、完成まであと一歩というところまで来て
いましたが、森村氏がテーマに選んだ作品の一部が、そのご遺族から
使用許可を得られないという事態になりました。該当の作品も、近代
日本の社会から発した深刻な問題をテーマとして苦悩の底から制作
されていて、それだけに森村氏の共感も深く、また、そのために、
ご遺族には、森村氏の問題提起と該当作品がもつ固有の問題提起
とは一体にできない別個のものと認識され、数度の話し合いを経るも
認識の一致を見ることは叶いませんでした。結果として実現に踏み出
すことが不可能となり、このたびのプロジェクトを中止することに至りま
した。
森村泰昌氏と美術館連絡協議会、岩手県立美術館の合議により、
標記展覧会の開催中止を決定いたしたことをここにご報告申しあげ
ます。
平成23年8月12日
岩手県立美術館
読売新聞社
美術館連絡協議会