月別アーカイブ: 2009年8月

2009/08/23

2009年8月21日

090821二度目の御前崎ロケハン。午前8時20分に京都出町柳で待ち合わせ。車で一路御前崎へ。総勢4名。約4時間半で到着。ロケ候補地を探し歩いた後、数カ所で、ビデオのテスト撮影。硫黄島のスリバチ山に旗を掲げるシーン、兵士が浜辺を歩くシーンなど。夕暮れまで粘り、帰途に着く。京都にはなんとか10時半に到着。ここから京阪電車で大阪に戻る。帰宅は12時をまわる。
夜、寝ながら、いろいろ考える。この映像作品はなんなのか‥‥。自分は映画を作りたいのか。それならクリント・イーストウッドのすばらしい映画があるじゃないか。
ふと思ったことがある。これまで私が試みてきた動画作品が、「もしも写真が動いたら?」とか、「もしも絵画が動いたら?」というような想像力を働かせることだったとしたら、今回はその反対で「もしも映画が止まって絵画になったら?、あるいは写真になったら?」というような想像力を働かせることではないか。極端にいえば、紙芝居のような「一束」の映像作品。ひとつひとつのシーンを一枚一枚の絵作りとしてとらえ、それらを一枚一枚ていねいに見せて行く事で展開してゆくような、紙芝居‥‥‥。「映画」ではなく、「絵異画」。うーん、あまり気がきいていないが、映画なんだけれど、「映画とは異なる絵画」としての映像、映画なんだけれど、根は絵画であるような映像世界。これだと作れるような気がする。美術家の私が映画監督になろうなんて気はさらさらないし、映画監督になりたいのなら、美術館ではなく映画館で上映すべきであろう。
「私はどんな旗を戦場に頂上にたてるのか」、この問いへの答えも、だんだんはっきりしてきたように思う。当初の計画から、どんどん変わって行くのだが、それはとてもスリリングである。まだまだ反転力を活かせる時期だから、おおいにちゃぶ台はひっくり返そう。
ロケハンとは、場所探しであるよりは、「なにものかとの出会い」の体験である。そしてなにものかに出会うと、なにかがガラリとひっくりかえって、道が開ける。
*写真は、遠州灘を背景にした兵士の私。


2009/08/21

日本経済新聞

  2009年8月20日  クロスボーダーレビュー

 美術家・森村泰昌が見た映画 「バーダー・マインホフ」、31面。


ブルータス

  2009年9月1日号 

 特集: 浮世絵に聞け! 浮世絵は現代美術の先生でした。 「本人よりも本人な。」 、p32。
       東洲斎写楽x森村泰昌  図版「『奴江戸兵衛』としての私」「『やどり木』としての私」


2009/08/19

2009年8月16日

09081402大阪市内某所にて、「硫黄島」をテーマとした映像作品の場アタリ、カメラテスト、演技稽古などを行う。総勢10名。やろうとしているのは、「映画」ではない。ならばなんだろう。「動く写真」だろうか。「映像詩」だろうか。「パフォーマンスの映像化」だろうか。いずれでもないと思う。ならばなんだろう。まだわからない。
なぜ「硫黄島」なんだろうか。20世紀のおへそとして硫黄島のスリバチ山があるということかもしれない。20世紀の100年を人体にたとえると、1945年は真ん中あたり。そのデベソ。
戦場で山の頂上に旗を立てる。自分の旗はこういうものですと、掲げてみせる。そういう行為のシンボルとして「硫黄島」の有名なショットはあるのかもしれない。硫黄島ではアメリカ海兵隊の兵士達はとうぜんのことながら星条旗を山の頂上に立てた。
では21世紀を生きる「私」にとって、戦場とは何で、その戦場の頂上に掲げる旗とは何なのか。「あなた」にとって、戦場とは何で、その戦場の頂上に掲げる旗は何なのか。その問いかけが今回のテーマ。一般論ではない。政治活動でもない。政治学でもない。戦争論でもない。憲法九条の是非が問題なのでもない。天皇制の是非が問題なのでもない。すべては、「私」個人への問いかけである。そしてこの「私」的な問いが、芸術表現として世に示されたとき、「私」の問題が、「あなた」の問題につながっていてほしい。
*写真は8月14日に天王寺駅界隈で夕景撮影。毎年お盆に四天王寺の万燈会に出かけるのだが、その道すがら‥‥‥。


2009/08/15

2009年8月14日

090814ピカソになる作品の準備をやっと始める。やっと手がつけられたという感じで、ずいぶんと遅れていて焦っているが、焦るとよけいにうまくいかない。
*写真は、制作中の机の上。


2009年8月13日

090813昨晩、一昨晩と続けて、午前2時に突然目が開き眠れなくなる。午前4時にベッドを出てパソコン前に。頭の中が熱く冷たい。ゴッホのことをよく「炎の人」と言うが、ゴッホの絵はかならずしも熱くはない。あれもまた熱くて冷たい「氷の炎」ではなかったか。
*写真は、真夏のゴッホ?


2009年8月11日

090811午前10時から午後4時過ぎまで仕事場で会議。「レクイエム展」で発表する「硫黄島」をテーマとした映像作品の内容、日程などを打ち合わせする。私も含め9人で会議の後、私(私は、自作のシナリオの上では日本兵の役どころだから)をのぞく5名のアメリカ兵士の服を購入のため、「MASH」来訪。これはいいのではと思うアイテムはベトナム戦争時のもので、なかなか第二次大戦時の「古風」なものでいいものが見当たらない。私の「戦争」のイメージとして、ベトナム戦争がインプットされているのだろうか。
長い時間かけていろいろ選ぶ。いろいろ見せてもらっていると、すこしは「お見立て」が出来るようになってくるのも不思議である。
*写真は、田中之博さんが制作、持参した「ピカソとポロックになる」作品のための頭の被り物。ヌーブラの素材を活用しているとのこと。