2009年8月16日
大阪市内某所にて、「硫黄島」をテーマとした映像作品の場アタリ、カメラテスト、演技稽古などを行う。総勢10名。やろうとしているのは、「映画」ではない。ならばなんだろう。「動く写真」だろうか。「映像詩」だろうか。「パフォーマンスの映像化」だろうか。いずれでもないと思う。ならばなんだろう。まだわからない。
なぜ「硫黄島」なんだろうか。20世紀のおへそとして硫黄島のスリバチ山があるということかもしれない。20世紀の100年を人体にたとえると、1945年は真ん中あたり。そのデベソ。
戦場で山の頂上に旗を立てる。自分の旗はこういうものですと、掲げてみせる。そういう行為のシンボルとして「硫黄島」の有名なショットはあるのかもしれない。硫黄島ではアメリカ海兵隊の兵士達はとうぜんのことながら星条旗を山の頂上に立てた。
では21世紀を生きる「私」にとって、戦場とは何で、その戦場の頂上に掲げる旗とは何なのか。「あなた」にとって、戦場とは何で、その戦場の頂上に掲げる旗は何なのか。その問いかけが今回のテーマ。一般論ではない。政治活動でもない。政治学でもない。戦争論でもない。憲法九条の是非が問題なのでもない。天皇制の是非が問題なのでもない。すべては、「私」個人への問いかけである。そしてこの「私」的な問いが、芸術表現として世に示されたとき、「私」の問題が、「あなた」の問題につながっていてほしい。
*写真は8月14日に天王寺駅界隈で夕景撮影。毎年お盆に四天王寺の万燈会に出かけるのだが、その道すがら‥‥‥。